二年間の大学生活にありがとう

「生きていくうえで、少しは大変なことがないと張り合いがない」などと思うくらいには前向きな二年間でした.
思えば高専五年の頃はとにかく今すぐ逃げ出したい,でもどこにいけばいいかわからないもどかしさを抱えながら卒業証書を手にしました.
浪人を経て大学に編入してからは,新たな学友に出会い,旧友にも支えてもらいながらがむしゃらにやってみたり,打ちひしがれて塞ぎ込んだりしながら,なんとかここまで流れ着いてみれば,そのすべてに意味があったと思えるようになりました.
困難に直面してバラバラになって,泣きながら欠片を拾い集めていたような過去に対して,ときに未来は前向きな再解釈をもたらします.
いわゆる塞翁が馬というやつです.
現実から跳ね返ってくるものを受け取りながら,自らの一挙手一投足に手応えを感じるうちに,なんとなく自分の人生を前向きに引き受けてみようと思えるようになりました.
浪人期間中,時間が指の隙間からこぼれ落ちていく感覚に,必死に安らぎを探しつつ,その実心のどこかで戦慄を覚えていました.
それと比して,辛いことも多かったこの二年間は,今では教訓や示唆に富んだ重厚な実存の手触りをもっています.
こんな風に思えるのも,ひとえに素晴らしい学友や指導教員に巡り会えた自分の強運の結果だと思います.
ここまでの人生全て,到底一人でなし得たはずはありません.
辛いときに声をかけてくれたり,本音でぶつかってくれたり,僕が不得意なことを少し肩代わりしてくれた皆さんのおかげです.
失敗してもどうにかなると思えたことで,何度も背中を押されました.
皆さんのお力添えに,心からの感謝を申し上げます.
未来についてまだまだ不安は尽きませんが,不完全でもいいから,前に転びながらでも,どうにか社会人をやってみようと思います.